《乾杯》

_020_1 2006年12月1日金曜日、暖かな夜。

代官山の『シンポジオン』で、『軽井沢夫人』の出版記念を兼ねた夜会を開催しました。

その名も『軽井沢夫人の浪漫夜会(ロウマンソワレ) 第1夜』。

浪漫夜会はほぼ定刻通りの7時に幕を開けました。みなさんの集まりがよかったのは、ごめんなさい、予想外で、これはとても嬉しいことでした。

_033 「ごきげんよう。浪漫夜会、第1夜にようこそおこしくださいました。『軽井沢夫人』の著者の山口路子です。みなさまどうぞ最後までごゆっくり……ロマンティックに……エロティックに、おすごしくださいませ」

私の挨拶に引き続いて、『軽井沢夫人』の担当編集者である、講談社の北村周さんからご挨拶をいただきました。そして乾杯。

《歓談》

歓談タイムでは、それぞれゲストの方々をお引き合わせしました。

_049_1 みなさん、シンポジオンの美味しいお料理に感激のご様子。後日いただいた感想メールにも、必ずお料理のことがありました。それほどに、シンポジオンのお料理は美味しかったようです。

_053_1 常日頃ハイレベルのパーティーにご出席なさっている、とあるご婦人からも、「今までのビュッフェスタイルで、まちがいなく、ナンバーワン!」との嬉しいお言葉をいただきました。

 

 《プチ・ファッションショー》

やがて、夜会のメイン・イベントであるプチ・ファッションショーへ。

「ゲストの方のテーマファッション」の披露です。

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「軽井沢夫人のように、テーマつきファッションをしてきてください」

これが夜会のドレス・コードでした。軽井沢夫人はたとえば、「事の成りゆき次第では妖婦に変身しそうな女」といった、テーマのファッションをします。

女性ゲストのみなさんのうち、6名の方のお願いして、それぞれの「テーマ、そしてそのファッション」をご披露いただきました。みなさんにはあらかじめ原稿をいただいていたのですが、それを読みながら私はしみじみと、それぞれの人生に思いを馳せてしまいました。

「傷心にも負けない凛とした旅立ちの時を迎える女、を意識したファッション」のMさん。

「ステキな殿方の専属秘書になる100%準備オッケーな女、を意識したファッション」のKさん。

「代官山に舞い降りた銀座の雪姫、を意識したファッション」のSさん。

り戻したいオンナ、を意識したファッション」のTさん。

恋人と一緒だけれど他の殿方たちのターゲットになりうる女、を意識したファッション」のYさん。

そして、「隠れて鍛える女の露出服、を意識したファッション」の、作家松田朝子さん。

みなさんの美しいお姿と、考え抜かれたファッションに、会場にはため息と、そして、時々、大きな笑い声が広がりました。

6名のみなさんは、大真面目に、自分自身の現在の状況を公にし、それと真摯に取り組んでいる様をあらわにしてくださいました。

こういった姿は、コミカルな要素があり、自分を客観視することにより生ずるユーモアが会場の笑みを誘ったのでしょう。

このプチ・ショーはほんとうに楽しかった。

人が大真面目になっている姿は、はたから見ればコミカルなものなのです。そしてそして、だからこそ、私はそこに、抱きしめたいほどの愛しさを覚えるのです。

当日ファッションを披露するチャンスはなかったものの、ひそやかにテーマファッションをしてきてくださった方々も含めて、深い愛情を抱きました。

こんな気持ち、……同時に多くの女性に対して、深い愛情を抱く……は、新鮮で、もしかしたら私にとっては初めてのことだったかもしれません。

自分自身が驚くほどに特異な感情でした。

 《沢井比河流》

つづいて、孤高の天才筝曲家、沢井比河流さんの演奏が披露されました。

_125 沢井比河流さんの音は「官能的、どこまでも官能的」、これにつきます。

11月22日に待望のCD『OKOTO』をリリースしたばかり。店頭でも売り切れ続出という人気ぶり。

沢井比河流さんのプロフィール、簡単にご紹介します。

平成4年、琴独奏曲「斜影」が、第14回文化庁舞台芸術創作奨励賞グランプリ受賞。NHK衛星テレビで全世界に放映され、反響を呼びました。公演ごとに熱狂的なファンを生み出すことで知られる「沢井比河流自作自演」リサイタルをはじめ、パリ市立劇場での公演など、活躍なさっています。

一方で、平成7年に伝説のロックバンド「メフィストフェレス」を再結成、VAPレーベルよりCD「METAL ON METAL]をリリース。

そして、先月文字通り待望のCD「OKOTO]をビクターレーベルよりリリースなさいました。

夜会ではそのなかから、ソロ、「デイブレイク」を弾いていただきました。リサイタル用の会場ではないので、音響その他の面でのマイナス要素にかかわらず、いつものように深く深く酔わせてくださいました。

ゲストのみなさんも、感激。用意されていたCDはあっという間に売り切れてしまいました。新たな、比河流ファンがぐんと増えて、とてもうれしいです。

《最も響く言葉は》

_023_1 再び、歓談タイム。デザートタイムでもあります。美しく、そしておいしいデザートの数々に、会場から歓声がわきおこりました。

デザートをいただきながら、前もって配布してあった事柄についてのアンケートにお答えいただきました。

配布した紙には下記の事柄が書かれていました。

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いずれか一つ、今宵のあなたのベストを選んだおいてください。最も響く言葉を。あるいは今夜の気分でなんとなく、でも……。

①「われわれは、めいめいが、めいめいの人生を、せいいっぱいに生きること、それをもってみずからだけの真実を悲しく誇り、いたわらねばならないだけだ。問題はただ一つ、みずからの真実とは何か、という基本的なことだけだろう」(坂口安吾)

②「もう迷わず、他人の道に紛れ込まずに正しく自分の道を行き、道徳の示唆よりも官能の命令に従おうと心に誓った」(コクトー)

③「人生の最も美しいほうの半分は、情熱をもって恋をしたことのない人間には隠されているのだ」(スタンダール)

④「自分の感受性くらい 自分で守れ ばかものよ」(茨木のり子)

⑤「道徳観念がないというのは、あるいは、より複雑な道徳性なのかもしれない。それは、日常的な、堅苦しい、誠実さなど飛び越して、究極の誠に通じている」(アナイス・ニン)

⑥「本書はフィクションである。したがって、過去、現在、未来を問わず、実在の人物ないし事実との類似はすべて、偶然の産物にすぎない」(フィリップ・ソレルス)

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_063すべて、『軽井沢夫人』の中で引用されている言葉です。みなさんに挙手をお願いしました。

②が以外と多く、びっくりでした、挙手なさっている方々はなぜかどこか、誇らしそうでありました。

④は女性に多かったです。

会場には15枚のCDが用意されてあり、15という数に最も近い人数が挙手をした、その番号を選んだ方にCDがプレゼントされました。小説の中で出てくる音楽で作った、非売品のCDです。エディット・ピアフ、ヤン・ティエルセン、マイケル・ナイマン、ジェーン・バーキン&セルジュ・ゲンズブールなどなど……。

ちなみに⑦は、私自身が声を大にして強調したい、お気に入りの引用なのでした。

《夜会の終わりに》

夜会も終わりに近づきました。

_147 今回の夜会の発起人代表を務めてくださった、旅行作家の千葉千枝子さんに、お言葉をいただきました。

千葉さんは、私の大学時代のテニスサークルの一年先輩です。今回のパーティーを全面的に応援、支えてくださいました。

_154 続いて、私のお別れのご挨拶。発起人代表の千葉さん、発起人の方々……双葉社の二之宮さん、軽井沢のサイモン建設の土屋さん、そしてアートハウジングの丸山さんへ御礼を。また、司会進行役を快く引き受けてくださって、驚くほどに優雅な進行をなさった、軽井沢の古川真由美さんへ、御礼を。

そして、いらしてくださったみなさんへの御礼を述べて、夜会は終わりとなりました。

ささやかなお土産として用意したのは、『軽井沢夫人』でも出てくるスーパーマーケットTSURUYAのジャム。ブルーベリーと木いちご(ラズベリー)の二種類です。

私自身が心から楽しめた、暖かな夜会でした。

いらしてくださったみなさんへの感謝の気持ちで胸がはちきれそうでした、後日、お送りしたお礼状に、次のようにしたためました。

「周囲を見渡せば、当然のことながら、誰もわたくしのために、生きてはいないのでございます。それでも、何かの折に、驚くほどのエナジーを、惜しみなく与えてくださったりするものですから、わたくしは人と人との絆というものを、そこから発生する熱というものを、どこまでも信じ続けてしまうのでございました」(by 軽井沢夫人)

先日は『軽井沢夫人の浪漫夜会 第1夜』にお越しくださいまして、ありがとうございました。みなさまのあたたかな眼差しに、たくさんの力をいただきました。心から、御礼を申し上げます。今後ともどうぞよろしくおつきあいくださいませ。  山口路子

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