「エゴン・シーレ展カタログ」
「私は、今日1913年1月8日に明言いたします。この世でだれも愛してはいません、と。ヴァリー」
シーレのミューズ、あの有名な、そして私にとって特別な「死と処女(おとめ)」のモデルとなったヴァリー。彼女については詳細な記録は残されていなくて、けれど一度だけ、シーレのスケッチブックの中に自分の言葉を書き込んでいる。それが、この一文。冗談めかして言っている言葉らしいけれど・・・。
1991年のシーレ展カタログを手に入れて、初めて知った。「悲しみの女」のページにあっ た。そこには続けて次のような言葉がある。
「シーレとの生活で資料として残されたヴァリー側からの積極的な表現が、このことばだけであったこともまた象徴的で、痛切な事実である」
冗談であろうとなかろうと、とっさに書いた一文であろうと、この世でだれも愛してはいない、という言葉を綴るヴァリーに、きっとシーレは魅せられたのだろうな、と思う。そのひとをかわいがりたい、という情熱とは違う種類の情熱だっただろうけれど。
軽井沢は紅葉シーズン。木々の色が、おそらく同じ色は何一つとしてない葉が、とても美しいです。
早朝などはずいぶん冷たくて、車の外気温表示「5℃」などに、マイナスになる日がもうすぐそこまで来ていることを知らされるのでした。
10月 30, 2007 | Permalink







